先輩移住者の声

玉島祐二さん(1953年生まれ) 

玉島祐二さん (1953年生まれ)

移住時期:1996年

職業
移住前:信用組合営業職⇒移住後:トマト農園経営
住まい
1996年広島市内から豊松村(現神石高原町豊松地区)の町営住宅⇒神石高原町
移住促進団地にマイホーム購入
家族構成
頻繁に集う、農園の仲間たち
玉島祐二さん(1953年生まれ) 

広島の信用組合に19年勤めていた玉島さん。会社とお客様の板挟みの毎日がストレスで「金融の仕事は自分に向いてないなぁ・・・」と常々感じていたところ、たまたま県庁で農業の資料を見ていた際に平成7年から始まった豊松のトマト団地を見つけ、トマト団地が綺麗に整備されている風景に感銘を受け一念発起。当時43歳で退職して豊松に移住しトマト栽培をスタートすることに。
「農業は未知数だけど、体力だけは自信がある!」と意気揚々と3年目のトマト団地に入植した玉島さんでしたが、最初の5年間は一番の劣等生だったとか。毎日手を入れないといけないトマト作り。仲間が居ないし人手が無くては全く上手くいかなくて、当時12区画あったトマト団地の中で最下位という最悪の状況に・・・そんな中転機が!

神石高原町のテニス仲間の人から「玉島さん、昔テニスやってたんなら一緒にどうですか?」と誘われて、久々にテニスを再開することに。意外にもそのテニスをきっかけに地元の人脈が広がって紹介を受けたりと、徐々に人が農園にも集まるようになりました。

「私は人を大事にするからね。毎年同じ人が手伝いに来てくれるし、家族より家族的な仲間ができたことが嬉しい」「人のつながりができて、楽しいしストレスが無くなった」と満面の笑みの玉島さん。
人が集まるようになったことで、美味しいトマトも安定して生産できるようになり、時を同じくして県から派遣されたトマト栽培指導のスペシャリスト川上先生から4年間しっかり指導を仰ぎ、その間にノウハウを自分のものに出来た事も相まって、玉島さんの農園の売り上げもよくなりました。とうとう入植から13年目に神石高原町の移住促進団地に念願のマイホームも購入でき、今ではシーズンごとに食事会やイベントをマイホームでも行うなどコミュニティースペースとしても賑わう場になったとか。

神石高原町はトマトを筆頭に農業が盛んなエリア。ただし、作物によって繁忙期が異なるので繁忙期限定の働き手のニーズが高く、そこを埋める存在が子供を保育園や小学校に送り出した主婦になっている。家計にとっても非常にありがたい収入源になるし、農園にとっても安定した労働力として期待できるWINWINの関係。玉島さんの農園でも8時~12時に数人の主婦や若者が手伝いに来ることで、毎日活気にあふれる。
少し前には、女子大生が卒論のテーマに玉島さんのトマト農園を取り上げ一週間泊まり込みで取材を敢行したことも。その後、彼女は大手農業機器メーカーに就職し農業に貢献する仕事に就き、未だに定期的に遊びに来てくれる関係だとか。「若い人がウチに来てくれるのが本当に嬉しいね。今が一番楽しい!」「若い人や仲間に出来るだけ還元したいし、もっと楽しくしたい!」と玉島さん。

玉島さんは神石高原町の魅力を「自然が最高だし『水』、『空気』、『人』とにかく仲間が素晴らしい!」と語る。お陰で質の良いトマトができるし、それが人を結びつける源になり「トマトファミリー」を形成することができたのだと。
そして、これからは健康でい続けることを心掛けたいとも。「トマトも病気を出したらいけないし、自分も病気になったら代わりは居ないし、仲間やお客さんに迷惑をかける。車が運転できるうちは働き続けたいね!」と。

そんな玉島さんから移住を考える方へのアドバイスは「欲張らずに、楽しむこと。あきらめずにやり続けること。」少し前までは「神石高原町では食べていけないから・・・」と多くの地元の若者が都会に出て行っていた時代があったのは事実。「神石高原町でも私のように食べていける仕事や手段もあるし、食べられるようになれば楽しいし、皆にも分け与えられるようになる」。「若い人にはどんどん若いパワーで神石高原町でチャレンジして欲しいし、地方発で魅力を発信できる人になってもらいたい。私たちの『まる豊トマト(※正式名称は〇の中に豊)』だけじゃなく、『神石牛』や『ピオーネ』など既にあるブランドも活かして欲しいし、神石高原町はそんなチャンスがある町ですよ」と玉島さん。
実際にトマト団地も毎年3組入植者を募集しており、町長も「農業で食べて行ける移住者に力を入れたい」と期待を寄せる。

玉島さんにとって、神石高原町は夢を実現し仲間を作ることができた最高の場所であり、これからの人生を楽しく過ごすための最上のステージであり続ける・・・。玉島さんのような成功例に続く移住者が増えることが、神石高原町の発展につながるのだというイメージができ、本当にポジティブな気持ちになれるインタビューとなりました。

玉島さんご自慢の薪ストーブの前でインタビュー。玉島さんの温厚なお人柄も相まって、ほっこり和やかな雰囲気。