先輩移住者の声

西村悠樹さん(1990年生まれ) 仁美さん(1995年生まれ)

西村悠樹さん (1990年生まれ)

移住時期:2016年

職業
移住前:広島市内で学習塾社員⇒移住後:神石高原町地域おこし協力隊を経て,株式会社GODSTONE立ち上げ
住まい
2018年仁美さんと結婚を機に古民家を購入し、助成金等を活用し改装
家族構成
妻の仁美さんと二人暮らし
西村悠樹さん(1990年生まれ) 仁美さん(1995年生まれ)

西村さんが神石高原町に移住するきっかけになったのは、既に神石高原町に移住していた中学時代の友人村上さんからの「遊びに来ないか?」の一言。
元々広島市内で映像制作会社でクリエイターをしていた村上さんは、移住当初は地域おこし協力隊
をしながら、その後神石高原町内で起業した移住の先駆者。実際にフリーの映像クリエイターとして独立起業し、町のIT関連サポートや映像制作のお手伝いをすることで神石高原町にも貢献されています。

大学卒業後、介護の会社に携わるものの続かず「正直、ニート状態でした」と語る西村さん。そんな苦悩を経て学習塾講師となります。元々先生になりたかった事もあり、やりがいを感じながら教室長からマネージャーへとトントン拍子でステップアップ。ただし順調に見えながらも、このままでいいのかと悶々とする日々を送るように。そんな中、自宅に帰ってからの限られた時間で始めたネットでの小売りを行う副業をスタート。気がつけばいつの間にか副業が本業を上回るくらい成長し、自営で生きていける可能性も感じ始めました。
そんなタイミングだったから、村上さんからの「遊びに来ないか?」の誘いに即反応し神石高原町を訪れた西村さん。そして、実際に村上さんが神石高原町で地域の人と関わりながらイキイキと活躍する姿を目の当たりにし、本格的に地域おこし協力隊として関わりながらの移住を検討し始めます。
地域おこし協力隊で地域に貢献しながら、自分のスキルと経験を生かして神石高原町内で起業できるというのも魅力だったと西村さん。そして何より先輩移住者として村上さんの存在が移住を決断する上で大きかったとのこと。

西村さん本人は広島市と言っても一番北にある安佐北区の郊外エリア出身だから田舎暮らしにもスムーズに馴染めたようで、よく問題になる田舎独特の近所づきあいも「僕はマンションでお隣さんや上下の部屋の住人がどんな人か分から無い状況よりも、顔見知りの人が気安くテリトリーに入って来る方がストレスにならない」と。
また、「広島では日々塾と家を往復するだけに時間を消費して地域との関わりも全く無かったけど、神石高原町では自治組織の役員会にも積極的に参加することでまちづくりに直接参加しているような充実感も感じます」と西村さん。「年配の世代の方も地域活動に積極的に参加しイキイキしている姿を見るとこちらも元気になる」とも。そんな西村さんの価値観や性格も田舎暮らしに合っていたようだ。
だから、一人で移住した最初は10年くらいで広島に帰るイメージだった西村さんも、今では「神石高原町へ移住して『仕事ありき』から『ライフスタイルありき』に変わり、生活に日々刺激があります!」と神石高原町での生活に大満足の様子。

移住当時、ちょうど結婚も考えていた時期だった西村さんは、妻の仁美さんとの遠距離恋愛も広島に帰る機会も少なくなく意外に苦にならなかったとか。
ただ、仁美さんのお母さんが育ったエリアでの田舎独特の近所付き合い等の苦労話をよく聞かされていたし、ご両親からも結婚して神石高原町へ移住することは正直反対されていたとのこと。
そんな折、歯科衛生士として広島で働いていた仁美さんの体調に変化が・・・。病状の回復には環境を変えることも必要と言うことで、ご両親にも許しを得て、結婚を機に神石高原町へ移住することを決心されたそうです。

地域おこし協力隊の任期満了が近づき、新しい事業の展開を考えるように。そんな中、神石高原町と楽天が包括提携を結ぶ中でふるさと納税に関して興味を持つようになったそうです。せっかく町内にこれだけ素晴らしい特産品があるのだからいけると確信を持ったといいます。妻の仁美さんも西村さんの仕事をサポートすべく、仁美さんも独学でパソコンを学んで写真加工やデザインを手伝い、新しい仕事を夫婦二人三脚でこなす毎日。少し前まで歯科衛生士をやっていたとは思えないほど、パソコンに向かう姿が様になっています。

移住して4年目の現在の西村さんの住まいは、結婚を機に購入しリフォームした一軒家。立派な庭や蔵も備えた日本家屋で、それをベースに町内の工務店に協力いただいて約500万円かけて改装しました。
外観はほぼそのままですが、開放的なリビングダイニングはまるでショールームかのような人工大理石のカウンターキッチンが鎮座するフルフローリング仕様。リビングの一番端には、事務所を別に借りるだけでも初期費用を含めコストが掛かるからとお二人の仕事用デスクが並び立派なオフィススペースも完備。これから家族が増えても、子育てしながら仕事もしやすい最高の環境です。
実は、西村さんのマイホームの一番のお気に入りは、小鳥のさえずりを聴きながら入るお風呂。「自然と隣り合わせの幸せを感じながら入るお風呂は最高!」とのこと。本当に羨ましい限り!

移住当初、西村さんは生活の変化に合わせてフレキシブルに住まいを選択したいので、持ち家を購入することは考えていなかったのですが、神石高原町には多くの空き家があり都会では信じられないくらい安価に手に入れることができ、助成金や優遇制度が使えるので、結婚を機に徐々にマイホームの夢もふくらみ始めます。
結果西村さんは、町内の工務店を使って自宅を改修する新婚定住者が自宅改修工事をする場合改修工事費の一部を補助してもらえる制度等を賢く利用し、広島市内では考えられないくらいリーズナブルにマイホームの改装を実現しました。

西村さんのマイホームのお隣は、以前建具屋さんをされていた豊田さん。西村さんは「若い」と言うアドバンテージを活かし、豊田夫妻とは世代を超えていい関係を築けている様子。お二人の孫世代だから可愛がってもらいながら経験と知識を享受させてもらい、自分たちは若いから出来ることでお返しをする。都会ではなかなか見られなくなった世代間の交流や助け合えるご近所付き合い。最後に撮った建具工場跡のスペースでの笑顔で談笑する一枚に、そんないい関係を垣間見ることができたような気がします。

最後にこれから田舎への移住を考えている人へのアドバイスを西村さんに求めると・・・
「田舎で仕事があるのか心配に思う人が多いと思うけど、場所に関係なく田舎でもできる仕事を持ってきてもいいし、やろうと思えば田舎にも仕事はいくらでもある」と。これは広島時代の副業だったネットでの小売り事業を持ってきて展開し、その経験を活かして「ふるさと納税事業」のサポートを委託された西村さんだから言える言葉だ。
「移住を決める前に、現地での色々なイベントや触れ合える機会に参加して、事前に知り合いを作ることも大事」とも。これも村上さんと言う移住の先駆者が友人に居たことで、移住をスムーズに進めることができた西村さんならではのアドバイスだ。

移住を検討する段階から移住してからも、やはり人との繋がりを大事にすることが移住を成功させるポイントなんだと痛感したインタビューでした。