先輩移住者の声

増井玲巳雄さん(1978年生まれ)、由理香さん(1979年生まれ)

増井玲巳雄さん (1978年生まれ)

移住時期:2021年

職業
移住前:東京で店舗勤務のサラリーマン⇒移住後:ハワイからの輸入ビールの販売
住まい
空き家バンクで畑付の古民家を購入し、DIYで改装中
家族構成
妻と1女1男の四人暮らし
増井玲巳雄さん(1978年生まれ)、由理香さん(1979年生まれ)

増井玲巳雄さんは、東京に住んでいた頃店舗勤務のサラリーマンとして働き、妻の由理香さんは美術館で働かれ、多忙な日々を送られていました。
東京で長女を出産し子育てを行っていたところ、長女に喘息が発症し入院も覚悟するほどの状況になります。
そんな時、由理香さんの故郷である福山市に里帰りした際に、長女の喘息が収まる事に気付きます。

増井さんは、元々「自然の中で文明とのバランスが取れた生活をしたい!」と思っておられました。そこで、昔からよく訪れていた神石高原町には「自然の恩恵を受けた暮らしができ、人間を元気にしてくれる要素がたくさんある」と感じ、移住を検討し始めます。

実際に、神石高原町に家族で行った際に「空気も森の木々が新鮮な酸素に変えてくれて、自然と呼吸も深くなる」と感じたそうです。

さらに、由理香さんは長女の喘息の治療のために温泉の勉強をし、温泉ソムリエマスターの資格も取られました。長女を連れて全国の温泉を巡った中で、神石高原温泉は地下水の冷鉱泉で療養効果にも適していたため、本格的に神石高原町への移住を決断します。

増井さん夫妻は、以前ハワイで暮らしていたことがあり、その際に「自分の家を自分で直しイキイキと暮らしている人たちを見て、都会の便利さもいいけれど自分たちで造る喜びを家族で体験したくなった」と感じました。このため、空き家バンクで購入した住宅は,お風呂と井戸は工務店にお願いし,その他は自分たちでDIYすることにしました。

母屋の玄関前にある離れには、井戸水を焚いた薪風呂があり「薪風呂はまるで温泉のようで、疲れをとり本当にぐっすり眠れます。都会にいた頃は騒音でなかなか寝付けないことも・・・」と言われていました。

また、母屋の横の納屋の前には大きな畑もあり、この日は由理香さんと長男君でプチトマトの収穫をしてくれました。「採れたての野菜がその日の食卓に並ぶのも嬉しいです。」と由理香さん。

そんな増井さん夫妻に神石高原町に移住してよかったことを聞いたところ、「四季折々の風景が美しすぎます!」「春はつくしやわらびを摘んでお料理をしたり、夏はクーラーなしで涼しく眠れます。虫は多いけれど、息子は虫取り網を持って走り回っていました。暮らしてみると昆虫たちの様々な生態系を垣間見ることができ、よく出来ているなと感心しました。」と増井さん。
また、「秋は色付く森の風景を楽しみながら赤とんぼを眺めたり、冬は雪の美しさに息をのみました。サラサラのパウダースノーの中、一歩一歩足跡をつけながらの息子との散歩は、とても気持ちよく贅沢な体験でした。」とも。

さらに、「人がみなさん優しいです!」と由理香さん。「近所の方々は野菜を分けてくれたり、薪の心配をしてくれたりと何かと声をかけてくださいます。先日なんか、お風呂の煙突の煤を自作の道具でサッと掃除していってくれて。職人さんかスーパーマンのようでした。」とも。

買い物についても聞いてみたところ、「週末に福山市に買い出しに行っています。海外では1時間かけての買い物は普通だったので苦に思うことはありませんが、すぐそばにコンビニがあった東京の生活と比べると不便かもしれません。」と増井さん。
「でも、便利もいいけれど、不便の中にある豊かさの方を選びたいので神石高原町に引っ越してきたのだと思います。」とも言われていました。

玲巳雄さんは、ハワイから輸入したビールの販売を行っています。扱うビールは「Big Island Brewhaus」で、以前暮らしていたハワイ島の中でも気候が穏やかで自然も豊かなワイメアという小さな町で出会いました。
ローカルにこだわり、地元の水・ハワイアンハニー・ハワイアンカカオなどを使って作られているビールを初めて飲んだとき、「なんて美味しくて独創的なんだ!」と衝撃を受け、「このビールを絶対に日本に持って行きたい!」とBig Island Brewhausにコンタクトを取られたそうです。
今では、クラウドファンディングを使ってクラフトビールが大好きなお客様の元へ直接お届けするまでに。


今後の目標としては、「もっとクラフトビールを取り扱う小売店や飲食店でも販売したいし、東京のファーマーズマーケットに神石高原町の野菜も持っていきたいですね!」と頼もしいお言葉をいただきました。

最後に、神石高原町のネガティブポイントについて聞いたところ、「あまりないのですが、湿気対策と寒さ対策が必要なことですね。床張りの際に、断熱材と防水シートを入れると底冷えしません。寒さは氷点下-4℃以下になるとお風呂の水道も凍るため、布などを巻き付けて断熱した方がよいと娘の小学校のお母さんから教えていただきました。すぐに対策できたおかげで、普通に使うことができました!」

また、「理想としては、従来の学力重視ではない子どもの本来持っている力を信じ、その子その子の個性を伸ばす教育の場所があれば完璧だと思います!」と力強いお言葉をいただきました。

増井さん夫妻の実体験により、「神石高原町の素晴らしさ多くの方々に伝えたい!」という気持ちが伝わるインタビューとなりました。